心肺停止の状態にある傷病者に対しては、病院に搬送されて到着するまでの間に行なわれる救急処置が、救命率を向上させるために、大変重要なものとなります。
搬送される際に行なわれる救急救命処置は、その傷病者の命に大きな影響を与える、といっても過言ではないでしょう。
そこで、現場に真っ先に駆けつけるのが救急隊員ですが、その中でも、特別の知識と技術を身につけ、国家資格をもった、救急救命士が行なう業務を向上させることが重要となります。
かつては、医療行為は医師にしか行なうことができませんでしたが、救急救命士制度が創設されたことにより、救急救命士にも一部の医療行為を行なうことができるようになりました。
その1つとして、「気管挿管」があります。
気管挿管を行なうために必要な講習を受け、病院で実習を積み重ねることによって得た知識と技術を身につけた救急救命士が、医師の指示下において、気管挿管を行なうことが認可されることとなりました。
病院での気管挿管の実習は、同意を得た上で、手術を受ける患者を対象として、全身麻酔をしてから行ないます。
この実習を行なう際は、専門の麻酔科医が付いて指導に当たるので、麻酔科医が行なう通常の治療と変わりません。
また、患者に対して、麻酔科医と救急救命士が、事前に麻酔の方法やその安全性について、説明を十分にするので安心です。
何の前触れもなく心臓が止まるという事態で、救急隊の救急処置を受けるという可能性は、誰でもあるはずです。
そのために、救急救命士の技術能力を向上させることは、大変重要なことなのです。
また、救急救命士が受ける、気管挿管の病院での実習は、心肺停止状態にある患者の救命率を高めるために必要なのです。
救急救命士は、救急救命士国家試験に合格して、厚生労働大臣から免許を受け、医師の指示下において、特定の医療行為を行なうことができます。
しかし、救急救命士国家試験に合格することができたからといって、救急救命士として、業務にすぐに就けるわけではありません。
どんなに必死に試験勉強をしても、その努力がそのまますぐに、救急現場で役に立つというわけではないのです。
現場で本格的に、救急救命士として活動するには、病院実習を160時間以上受けなければならないのです。
救急救命士は、救急車の中や救急現場において、救急救命処置を行ないます。
その点で、医師や看護師などのような、医療に従事している職業の人とは異なります。
実際に、救急処置を行なう現場において、医師の具体的な指示に従い、専門的な知識と技術を経験するには、医療機関で行なう実習は非常に重要なものとなります。
また、救急救命士免許を得て、消防署に就職することができても、「初任科教育課程」を6ヶ月間受け、修了する必要があるのです。
病院実習は、消防庁によって定められているガイドラインをもとに、地域の医療機関を中心として、医師の監督と指導により行なわれています。
救急現場において、適切な救急救命処置を行なうことで、常に救急救命士は、救命効果をさらに向上させようと努力しています。
また、救急救命士は、病院実習などの実践の機会を通して、知識と技術をしっかりと身につけておく必要があるのです。